2013年12月30日

今年もありがとうございました。



今年も残りあとわずか。
みなさん、ありがとうございました。
工房はバタバタしながらも、なんとか1年を過ごしました。

   また来年お会いしましょう。
   よいお年をお迎えください。
  よい1年になりますように。



2013年12月20日

カウンターテーブル納品


横浜日ノ出町のワインバー「AGRI」さんにカウンターテーブルを納品しました。

材料はチェリー。
工房のホームページ作例をご覧いただいたオーナー夫妻が「横浜Nさま邸のような形の」テーブルを、とご注文くださいました。

初めてお会いしたときは、まったくの通りすがりで作業場に寄っていただき、
さらにこんな大きなテーブルを注文された!となぜか思い込み、ご夫婦の
蛮勇に拍手しそうになったのですが、こちらの誤解でした。失礼しました。


このテーブル、いままでお店の中にあったカウンターを撤去し、その後にお使いになる。
と云うことで寸法も特殊です。
製作者と比べるとわかるでしょうか。

長さ 2200mm × 奥行き 700mm は普通ですが、高さが1050mmもあります。



 将来的には脚を切って普通のテーブルとしてお使いになることもお考えのようですが、

実物を作るまではこんな高さでバランスがきちんととれるのか不安でした。しかし実際は

ドッシリと安定したテーブルで安心しました。



形はオーソドックスなテーブルですが、寸法が大きいため、見えなくなる仕口を
少々手の込んだ頑丈なものにしてあります。

様々なお客様が出入りされるバーなので慎重を期して頑丈な作りにしたのですが、
楽しいお酒の場でいろんな場面に出くわし、たくさんの人に可愛がられてほしいと思います。 






閑話休題。 
このAGRIさんの入居している建物、真下を流れる川の流れに合わせた形と、横浜日ノ出町近くという場所柄か、かなりおもしろい雰囲気を醸し出しています。
思わず「住みたい!」と叫びました。

次は仕事抜きでお邪魔します。 嗚呼、楽しみだ。

ワインバー「AGRI」
横浜市中区宮川町1-1-203 都橋ビル2F





2013年12月16日

毎日の生活


長野・戸隠の竹細工カゴを買いました。
打ち合わせで街に出かけることがあったので、
以前から気になっていたカゴの専門店を覗いてみたときに一目で気に入ってしまいました。


近頃野菜をいただく機会が増えてきたので、保存や見た目を考えたときにスーパーのビニール袋ではまずいかな?と考えていました。

風雪に耐えた根曲がり竹で製作されたこのかご、本来は茶碗入れとして製作されたものらしいのですが、地元の方たちは茶碗を入れる他にも野菜を入れたり、揚げ句は温泉に出かけるときに、タオルやお風呂用品を入れて持ち歩く事もするらしいのです。


東京のお店に持って来ると、本来の使用目的以外で使う事は気が引けたりするのですが、
地元でのそんなおおらかな使い方を聞くと、急に身近なものに思えてくるので面白いものです。

かつて唱えられていた「民藝」というものも、本来の姿はこのようなものだったのかな。と考えたりもしています。




2013年12月9日

作業場考


近頃、大きな仕事が続いています。
テーブルもちゃくちゃくと。

他にも大なり小なりお仕事の話をいただいているのですが
工房のスペースが小さいためにお応えできない事態も起こり始めました。

作業場が小さいと維持費が安く済む(しかし応えられない仕事が出て来る)。
作業場が大きいと仕事がこなせる(しかし維持費がかかる)。

このような時、他の人はどのような判断をしているのでしょう。
保証の無い世界に強気で打って出る人、現状を維持しようとする人。

全ては結果が正解、となるのでしょうが、なかなか難しい話です。








2013年11月27日

カッティングボード

カッティングボード



近頃あれこれ余裕を無くしていることに気がつき、生活の小物を製作することにしました。
こういう時、暮らしの道具を考えるとすこし落ち着きます。

カッティングボードを製作。
これはまな板というよりはパンやチーズなどを食卓で切り分けるためのもので、基本的に水気には弱いものです。
一応汚れ防止のために、表面を食用のオリーブオイルで塗装してあります。

デザインをどうしようか考えていたのですが、工房のショップカード(=ダイニングテーブルの天板)の形が好評なので、それをカットボードにアレンジしてみました。


 そして裏側。

工房のロゴマークと、テーブルに置いたときに持ち上げやすいように斜めの切り込みを入れました。
大きさは現在は2種類ですが、これから増やして行こうか考えたいと思います。






2013年11月15日

姿見

姿見納品



それは横浜青葉区Tさんの一本の電話から始まった。

「もしもし、Tです」
「あ、おひさしぶりです」
「姿見ほしいからひとつお願いします」
「え・・、なにかご希望のお値段や仕様はありますか?」
「ん〜、全部まかせるから。よろしく。じゃあ」 ガチャン。

・・・・。

一気に頭の中が真っ白に。
姿見、姿見、すがたみ・・・。

大きさはどうしよう?
どんな雰囲気がいいのかな?
お値段はいくらくらいで出来るだろう。

このようにお客さまからの細かいご希望のない場合、お客さんの
雰囲気や趣味から家具のデザインを考えて行きます。
今回の姿見、以前に納品でお邪魔したTさんのお宅のテレビが
今様のスマートテレビだったことからインスパイアされ、とにかく
木材でどこまで細いフレームにできるかに挑戦してみることにしました。

構造はすぐに決まったのですが、問題は鏡を納めるフレームの強度です。
それからは街を歩いては窓枠に目がいき、電器屋さんではテレビのフレームを眺め、
あげく、美術館では作品ではなく額縁を舐め回すように覗き込み、警備員に注意される始末。

そうして思い切ってエイヤッとフレームの太さを決定したのですが、鏡というものは非常に重く割れやすく、またかなり高価なものなので、製作中はもちろん、納品までひやひやしていました。

鏡は美容院などでも使われている高精細ミラー、180cm × 40cmの大きなものを採用。
何もかもばっちり映ります。
姿見を自立させるためのスタンドの構造をふくめて、ずいぶん頭を悩ませましたがお客さんには気に入っていただけたようです。


本革を2枚縫製したバンド。実はいちばん見てもらいたい所です。


Tさま、ありがとうございます。








2013年11月7日

郷土史を知る


工房に来られた方はご存知のように、工房のとなりには
この地域のお墓が広がっています。
雨振りそぼる。


四季折々、様々な表情を見せてくれる場所なのですが、先日この墓場の前で
真剣な顔で写真を撮っている紳士がおりました。

なんだろう?と思って声をおかけしたら、この辺りの歴史を調べている郷土史家の方でした。
「なにか面白いことがありましたか?」
「ありました!ありました!やっと見つけました」
と、墓場の入り口の小さい五輪の塔を指差し、興奮されていました。



その方のお話によると、この集落は鎌倉幕府発足と同時に記録に残り、鴨志田氏の
統治の後、天正10年前後に大曽根氏が引き継ぐ形で地域の統治を始めたらしいのです。

その五輪の塔は初代大曽根氏のお墓で、たしかに石塔には「天正14年 大曽根飛騨守」と
彫り込んでありました。
この文献を裏付ける史跡の発見に、その方は興奮していたのです。

その他にも現在は駐車場になっているところにかつては集落の菩提寺があり、
その名残がこの墓地である、などなど、興味深いお話をお聞きできました。

子供のころから風土記・郷土史が大好きだったのですが、自分の住む場所の歴史を知ると
地域の見え方が分厚くなる気がします。おもしろいものです。






2013年10月26日

丸太材購入


先日材木屋さんからお話があり、オニグルミの一枚板を仕入れました。

岩手県産樹齢150年の大木です。
寸法は長さ2.1m × 60cm巾と長さ2.1m × 50cm巾。

「いまどきこれだけの大きさのオニグルミは数が少なく、久しぶりの出物」
ということで購入し、工房へやってきたのですが、皮付き材で相当な迫力です。
広い場所が欲しい・・・。

オニグルミはほのかなピンク色で優しい印象の材木です。 
2枚矧ぎにしてテーブルにしても良し、1枚でカウンタートップも良し、の材です。

これからすこしづつこのような在庫材を増やし、お客さんに現物を見てもらいながら
製作するものを決めていくこともできたら、と考えています。






2013年10月20日

或る阿呆の・・・


ショウルームになにか家具を製作しようと思い、引き出しの多いチェストを
製作することにしました。


材料はチェリー材。
大きさは1400w × 800h × 280d。

本体は少し浅めで使いやすくしてあります。
まだ引き出しを仕込む前ですが、なぜこれほど引き出しの数が多いチェストを
製作してしまったのだろう・・・。と(本体ができた後で)考えてしまいました。

そこでふと思い出したのは、勝手なイメージですが昔の古い薬局、もしくは中国清朝末期の上海。
「阿片窟」で横たわる阿片中毒者の後ろに置いてある、前面すべて小引き出しの古めかしい収納・・・。
そのようなものがいつのまにか頭の片隅に焼き付いていて、それがいま形になって
出て来たようです。


収納はありませんがこんな感じのところでしょうか。


もちろんあのようなアンティークな家具にはなりませんが、これから注文の合間をみてはすこしずつ引き出しを仕込んでいこうと思います。
一体いつ完成するの。
連続する構造としても美しいと思いますが、いかがでしょうか。




2013年10月7日

半月衣紋掛け

半月衣紋掛け



ウォールナットでハンガー掛けを製作しました。

構造としては単純なものなので、どのような形にしようか考えていたのですが
昔読んだ本に載っていたシェーカー家具の脚が好きだったのと、
ちょうどその夜が見事な弦月だったので、一気にデザインを決定しました。




シェーカー家具とは、18世紀後半のアメリカに実在したシェーカー教徒によって製作された家具で、彼らは清貧を是とし、厳格な規範のもとで集団生活を送った人達だったようです。
そのため彼らの製作した生活用品も質実質素、装飾を省いた実用に長けた形の物が多く、
家具製作を志すなら一度はその形を目にすることがあるほどの家具です。


今回は一般家庭でも、ちょっとしたショップなどでも使えるような形を意識してみました。
キャスターと引き出し付きで移動も楽だと思います。
小物はこちらへ。






2013年9月29日

秋の文化月間


明日9月30日から10月6日までの一週間、銀座のギャラリー悠玄で行われる
「男たちの手仕事展」に出展させていただきます。



焼物、縫製、革細工、彫金・・・。様々な先輩作家さんたちに混じっての出展、
初めてお会いする方も多く、良い刺激をいただけそうで楽しみにしています。

お近くまでお出かけの際は、ぜひお越しください。



「ギャラリー悠玄」
泰明小学校のすぐそばです。





2013年9月21日

名物自慢


家具ではありませんが、三重の実家から「かぶらせんべい」を送ってもらいました。

おそらく小麦粉をベースにしたおせんべいですが、ほんのりと甘く
洗練された印象を受けるお菓子です。

ご覧のように、大・中・小が詰め合わされたルックスはなかなかです。

子供のころはおいしいとも思わず食べていたのですが、最近20年ぶりぐらいに
食べたらその素朴な味に虜になりました。

小さいころ好きだったものに何とも思わなくなる。そしてその逆もまた然り。
「変わらないもの」っていったい何だろう。と、ふと考えました。







2013年9月12日

張替え中に考えた


大きなソファー張替えのお仕事をいただきました。
うたた寝のベッド代わりにも使われていたらしい。


3人掛け一本と1人掛けを二本。
すべて鋲打ち+クッション交換、さらに本体にも手をいれるため結構なボリューム。
しばらくかかりっきりになるだろうな、と裂地はがしを始めました。


そして1人掛けを二本はがしたところで、この二本の製作者が違うことに気がつきました。

このソファー、外見は同じ形をしていますが、座面の中の構造が二本とも全く違う作り方をしてある上に、細かい材料も違っている。

作業をしながらだんだん判ってきたのは、片方はおそらく個人の小さい特注工場に外注に出されたソファー、もう一方はメーカーが大工場で大量に張り上げたものだ、という事です。


椅子張りの世界ではよくあることなのですが、外注したときの時期やコストの掛け方、製作者の考え方や設備の差で同じ椅子でも細かい差は出たりします。
しかし同じソファーでここまで作り方や急所が違うものは初めて目にします。

はがすといろんな事が見えてきます。


両者を比べたとき、おそらく個人の工場で張られたものは、釘を打つ癖や特注屋さんらしい細かい気の使い方から、古い職人がひとつひとつ仕上げているなあ。という印象を受けました。
僕の親方も古い職人だったのですが、その時に散々叩き込まれた作業の勘所がこのソファーでは全く同じでした。

そして大工場の方は洗練され、非常に合理的な張られ方がしてありました。
材料の段取りや作業の仕方が何十本も一気に用意されていないとできない方法だったのです。
このような仕事は発想の仕方が非常に参考になります。
「ああ、こんなやり方があるのか」「この材料は大量に用意できないと大変だ」


どちらが良い、悪い、ではなく種類の違う仕事の進め方。同じ製品でも考え方がこんなに変わるのか、と思うと面白いものです。

椅子をはがしながら様々な物語を連想する。これも作業の楽しみです。


2013年9月3日

抹茶スツール③

スツール製作


5月から進めてきた、三重のテキスタイル作家harunachicoさんとのコラボレーション
スツールが完成しました。



もともと抹茶スツールという定番商品として開発したスツール。
ご夫婦でいらしたharunachicoさんと初めてお会いして「一緒に何か作ろう」と、お酒で意気投合したときに頭に浮かんだのがこのスツールでした。

先方にとっても、このような張り物にご自身のテキスタイル作品を張るのは初めてだろうし、
こちらも作家さんのテキスタイル作品を張り込むのは初めてで、面白い作品が出来上がる気がしました。

いつもharunachicoさんの作品を見て、ポップだけれどもどこか冷静な雰囲気を持つ・・・
甘いだけでなく少し苦みの混じったデザートみたいだな、と思います。
この、他ではなかなか出せないセンス、初めて拝見したとき真っ先に京都とパリの雰囲気が浮かんだのですが、お二人の勉強時代のお話を聞くとやはりそのようなものがバックボーンにあるようです。



こちらのスツール、9月14日から10月6日まで工房すぐそばのギャラリーJIKE STUDIOで開催のharunachicoの世界展」で展示されています。
お時間のある方はぜひ、ご覧にいらしてください。









2013年8月30日

Web 家具紹介


TERAMOTOのトップページにて「家具紹介」の項目を追加しました。
簡単なカタログのようなものですが、探しものなどの参照にご利用ください。

不慣れなところもありますが、徐々に変化させてまいります。




無垢材テーブル・家具等製作
家具工房TERAMOTO
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                            横浜市青葉区寺家町441
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                            fax:045-962-4889
                            stratos767@ybb.ne          




2013年8月27日

のれん①

のれん完成


以前より製作していた、ショウルーム用のれんが染め上がりました。

おなじみのロゴマークと、丸に「て」のマーク。

てらもとの「て」ですが、手作りの「て」と解釈してもらえる方もいて面白いものです。



上は冬仕様ですが、夏仕様も用意してあります。





マークもばっちり。
現在は夏服がぶらさがっていますが、高校生の衣替えに合わせてショウルームも
衣替えでしょうか。

      壁面収納を取り付けたり、ショウルームもすこしずつ変化しています。






さあ、遠慮せずに