2014年2月19日

引き出しデスク

引き出しデスク


小さな収納の付いたデスクを製作しました。


材料はウォールナット。今回はすこし遠い、三重県からの注文です。
お客さまは高齢の方。介護施設に入られ、毎朝新聞をゆっくり読むための
テーブルが欲しい。というご注文でした。


そして、そのテーブルにはあまり大きすぎない引き出しも付けて欲しい。というお話。
お部屋を拝見すると、手紙や封筒、筆記用具や文庫本が表に出ていたことに気がつきました。
なるほど、なんとなく行き先のなさそうな小物たちを収納して、さらに座った時に邪魔にならないように、という事で幅20cm強、幕板と同じ高さの引き出しにすることにしました。

こう見えて、結構入ります。


最初、今回も角に大きな丸みを持った形で天板を製作したのですが、なぜかピンと来ない。
なぜだろう。考えました。

・・・

・・・今回はお客さんの雰囲気から、引き出しに普段はあまり使わない真鍮の
引き手を採用してみたのですが、これが家具にシャープな印象を与え、天板もシャープな形が似合うようになったことに気がつきました。


そこでもう一度材料を削り直し、再び天板を作り直したところ、全体の座りの良い形に納まりました。
いままではあまり作らなかった直線基調の家具。ウォールナットの質感とも相まって
なかなかいいな。と思ったりもしました。
こうしていろんな事に取り組んで、また新しい形に出会っていく気がします。


お客さま、「なかなか形もいいし、これで新聞もゆっくり読める」と、喜びなすった。
毎日、毎朝、ゆっくり愛でるように使っていただけることを期待しています。

2014年2月11日

ベビーサークル②

ベビーサークルふたたび


以前製作したベビーサークル、別のお客さまからもオーダーをいただきました。

材料はブナ。やはり子供の触れる家具には、その触り心地と清潔さが
向いているような気がします。

オーダーをいただいた豊島区のK様、建築設計をされているお客さまです。
打ち合わせにお邪魔したご自宅は細部の納まりが非常に美しい建物で、インターホンを押す前に5分ほど、お家の前でうろうろと見惚れてしまいました。
誰かに見られていたら、さぞ怪しい人間に見えただろうと思います。

そのK様、お子様がハイハイを始めたので急遽ベビーサークルが必要になった、との事。
ご両親には大至急市販のベビーサークルを買うようにおすすめされたらしいのですが、形とサイズのいいベビーサークルを置きたい、と、HPでお探しになられてご注文いただきました。



子供の触れるものなので、いつも以上に仕上げ作業に気を使いました。
全ての材料に鉋をかけ、徹底的に磨き上げた後、ソープフィニッシュという
仕上げを施し、さらに目の細かい紙ヤスリで磨いてあります。
このソープフィニッシュは北欧椅子の伝統的な仕上げです。石鹸をお湯に溶かし込み
その石鹸水を家具に染み込ませて汚れ止めにするものです。
ウレタン塗装と比べれば対汚性は弱いのですが、施工時の環境への負荷も軽く、
子供が家具を舐めたとしても危険がないので、幼児向けのものには比較的よく使用します。

そして今回は接合のプレートをブナ材で製作し、おまけとして
お部屋のインテリアのチークにあわせ、チーク材のプレートもお付けしました。


工房まで引き取りにいらしたK様、サークルをお気に召されたようで安心しました。
建築の話など、またゆっくりとお話したいものです。
受注生産で即納ができない中、辛抱強くお待ちいただき本当にありがとうございました!

さあ、遠慮せずに