郷土史を知る
工房に来られた方はご存知のように、工房のとなりには
この地域のお墓が広がっています。
四季折々、様々な表情を見せてくれる場所なのですが、先日この墓場の前で
真剣な顔で写真を撮っている紳士がおりました。
なんだろう?と思って声をおかけしたら、この辺りの歴史を調べている郷土史家の方でした。
「なにか面白いことがありましたか?」
「ありました!ありました!やっと見つけました」
と、墓場の入り口の小さい五輪の塔を指差し、興奮されていました。
その方のお話によると、この集落は鎌倉幕府発足と同時に記録に残り、鴨志田氏の
統治の後、天正10年前後に大曽根氏が引き継ぐ形で地域の統治を始めたらしいのです。
その五輪の塔は初代大曽根氏のお墓で、たしかに石塔には「天正14年 大曽根飛騨守」と
彫り込んでありました。
この文献を裏付ける史跡の発見に、その方は興奮していたのです。
その他にも現在は駐車場になっているところにかつては集落の菩提寺があり、
その名残がこの墓地である、などなど、興味深いお話をお聞きできました。
子供のころから風土記・郷土史が大好きだったのですが、自分の住む場所の歴史を知ると
地域の見え方が分厚くなる気がします。おもしろいものです。