2015年9月6日

ワードローブリメイク


大和市のSさまより、ワードローブのリメイクのご相談を受けました。

昔、よく見ましたね。

Sさんの奥様の、亡くなった母上の婚礼家具だったようです。
相談をいただき実物を拝見したときは、合板でできたこの家具を細かくして
無垢材と組み合わせ、いくつか別の小さい小物入れでも作ろうかな、と思いました。

しかし実物を引き取り、明るい工場で詳細を調べると、表面の化粧合板が予想以上に傷んでいたことに気がつきました。
製作されておそらく40年は経っているこのワードローブ、接着剤も劣化していたのです。

ここで悩みました。家具を細かくするのに鋸をいれると、おそらく表面の合板がばりばりになるかもしれない。
そうなると修復は出来なくなる。
奥様の家具への思い入れも強いし、亡くなった故人の品を台無しには出来ない。


・・・そこで方針を変更して、ワードローブ下部の引き出しを流用し、その奥行きを詰めて
チェストを製作することにしました。








本体をチェリーで新しく製作。寸法は 1000(w) × 600(h) × 430(d)
打ち合わせでご希望の寸法をお聞きした時に、ひょっとしたらテレビでも
載せるのかな、と思ったので使い勝手の良さと配線のことを考え、最終的には
上部スペースの背板を一部オープンにしました。





新しく建てたお家にワードローブを置くスペースが無いから、と依頼されたこの仕事、
緊張して納品にお邪魔したのですが、Sさんの奥様、「格好いい!これで母も喜びます」
嬉しいお言葉です。

そして納品したお部屋で目にしたのはテレビの載った小さな台。
「これの変わりに使います」
これもまた目論み通り。安心しました。

8月にかわいい女の子の産まれたSさんご夫婦。タイミングよく納品できた
このチェストも、この子が引き継いでくれればナ〜。などと考えていました。

Sさん、ありがとうございます。




さあ、遠慮せずに