2016年4月14日

会津若松 さざえ堂


今回の丸太の買い付けに付随する形で、会津若松のさざえ堂の見学にも行きました。



幕末戊辰戦争での白虎隊で有名な会津若松。このさざえ堂はその白虎隊自刃の場
会津若松飯盛山の中にある建築です。
もともとは江戸時代後期に建てられた寺社仏閣でしたが、現在は個人が
所有するというこの建物はその内部構造の特異さで有名な建物です。

左螺旋で上へ参りま〜す。

入り口左手の螺旋を登って頂上を目指すのですが、お堂の頂上でそのまま
下り螺旋に入ります。

左奥から上り、中央橋架部分を越え右手螺旋で下ります。

上りと下りが一度もすれ違わない二重螺旋、さらにこれが木造で建てられている
というのは建築の専門家がみても興味深い構造だと思います。
実際、昭和40年に日大理工学部が実測調査に入り、その立面図の写しを受付売店で
購入することができます。



さざえ堂とはよく云ったもんだ。

江戸時代、世の中に現代社会ほど刺激のないころに建てられたこのお堂を
当時の人々はどのような思いで眺めたのでしょうか。
昔の(とくに宗教関連の)彫像や建物をみると、そこにかけられた手間やエネルギー
の濃さに驚く事が多いのですが、それは=祈りの深さということにもつながるのでしょうか。







2016年4月4日

ふたたび南会津へ


工場のまわりでは桜も満開になり、いよいよ丸太のシーズンも終わるこの時期を
狙って、昨年に続き、今年も福島の南会津へ丸太材の購入に出かけました。


高速のインターを下り、そこから山道を1時間半ほど走るのですが
今年は雪が少なく暖かかった。
拍子抜けしながら材木の土場にたどり着いたのですが、東京の職人仲間と現場で
落ち合い丸太の山を見ると一気にアドレナリンが沸きます。


どんどん目移りする中で、値段や材の雰囲気から、山桜とクリの2本どちらかまでに
候補を絞りました。
大きさ、形、共に申し分はなさそうだ。クリの木口をみると、しかし
根回りの割れが入っている。
サクラはあまり馴染みがないのと、以前見たサクラが乾燥中にねじ曲がり
真っ二つに割れんばかりの割れが走っていたことを思い出しました。




さあ、ここからが大変。
一日目の下見を終え投宿したのですが、その仲間も自分も無口のまま。
部屋に入っても無口のまま。
食事を摂っても無口のまま。
お酒を呑んでも無口のまま。

頭の中は明日丸太を買うかどうかで一杯です。
その時、ちょうど昼間土場でお会いした丸太買いのベテランの方たちが
食事にやってきました。
そこで丸太買いの色々な経験談や心構えを聞き、さあ、盛り上がるか!と
思いましたが、やはり2人は言葉少な。

丸太は何万円も出して買い取って、製材してから初めていい材か
悪い材かがわかるのですから、慣れるまではバクチをするようなところがあります。




宿のまわりを散策。


翌日は快晴。
それでも心は晴れず、土場へ向かいました。
まだ決めかねている自分達の隣で、昨夜のベテランさんが何気ない一言。
「これからも買わなきゃわかんないし、何が出てもそれは自然のモノなんだから美しいんだよ」

必殺の呪文、ふたたびです。

2人ともそれぞれサクラとクリを買うことにしました。
腹が据わると強いものです。もう何でも出ろや。すぐ製材だ!

こちらは山桜。

材を製材台に載せ、巨大な帯鋸で板材へ。
先行した友人のサクラは大当たり。通直で美しい木目が現れました。
友人は弾けそうな笑顔とガッツポーズ。
ああ、いいな。うらやましい。と思っていると次は自分の番です。クリが製材台に
載せられ、帯鋸が轟音を立て始めました。

そして現れたクリの板材は・・・本人の心配はどこ吹く風。
そこに居合わせたベテラン一行が感嘆の声を上げるほどの板材でした。
自分は製材台の上で大喜びしながら、とにかく安心したのを覚えています。

注意・大きい音が出ます。

丸太買いは魚市場でマグロを競り買うのと同じ。と読んだことがありますが
大当たりの赤身やトロを手に入れるのはこんな気持ちでしょうか。



製材後、皮むきや割れ止め剤を塗るなどの後作業を済ませ、今回桟積みは
現地でお願いすることにしました。

これから2年間、無事に乾燥してくれるのを楽しみに待つ毎日です。
この材料でテーブルやカウンターを作ったら・・・などと考えています。
興味のおありの方はお問い合わせください。




さあ、遠慮せずに