2015年3月29日

耳付き材ダイニングテーブル


三重県Bさま邸、ベンチと同時に納めたのがこのダイニングテーブル。

長さ約2.1m、巾1.1mのこのテーブル。この大きさもまたお施主のB君との妙なやりとりで
決定しました。

「巾1.1m? やめとけ、そんなん使いづらいで。普通は80cmか90cmくらいが一番使いやすいって」
「いい。その丸太板で取れる一番大きい寸法で作って。とにかく大きかったらええねん!」
「そんなん・・・、絶対使いづらいと思うで」
「『ありのまま〜』がええ!」
「・・・・」

またもや押し切られる形でスタートした製作ですが、板厚もできるだけ厚く。という希望通り、板厚45mmという結構厚いものになりました。


オニグルミの優しい雰囲気と、脚部や、天板の反り止めのための吸い付き桟も
厚さ70mm角のナラ材から削り出す。という仕様になったこのテーブル。
群馬で修行していたとき耳付き材は毎日のように見ていたものですが、久々にそれで製作してみると、世界でただ一つの物を作っている、という実感が強く
自分の行く先を考えると立派な道標になってくれそうな予感がしました。







今回の2つの仕事、その大きすぎる大きさからいろいろと心配したのですが
それが全て杞憂に終わるほど、この建物はおおらかで気持ちのいい空間でした。


テーブルもベンチも末永く使ってもらえますように。



2015年3月28日

据え付けの大きなベンチ


三重県のBさま邸に家具を2つ納めました。
1つはダイニングテーブル。もう1つがこちらのベンチ。

全長が5.2m、奥行きが90cmの巨大なベンチです。
下台はチェリーの化粧合板、座面と座面の間にもチェリーで収納を製作しました。

注文をいただいたB君、実は高校時代の同級生。そのお陰か、打ち合わせも緊張しない
面白いやりとりが交わされました。
自宅を新築する、との事で、最初話をいただいたときまず思ったのはベンチというより
もはやデイベッドと思われる程の奥行き寸法についてでした。

「おいおい、そんなに大きいとベンチとしては使いづらいで。40cmか50cmくらいやとあかんの?」
「あかん。とにかく大きかったらええねん!90cmでやってくれ」
「は?・・・・大きかったらいい!て、・・・ほんまか?」
「ほんまや!とにかくこれでやってほしい」
「・・・・」

漫才のようなやりとりの末、普通あまり見かけないサイズのベンチを製作することになりました。
製作するにあたって悩んだのは、まだ図面でしか存在しない現場への納まりでした。
最初は無垢材で下台を作ろうかな、と考えたのですが、窓際で常に陽が当たる場所なので
反りや収縮を考えると、今回は化粧合板を採用しました。
また、建築現場の常で細かい寸法は現場合わせをする必要があること、現場が遠いので
簡単に現調ができず、大工の棟梁と電話口で話すだけの寸法で製作を進めなければいけない事が
なかなかプレッシャーでした。

窓の腰壁と高さが揃えてあります。


結局、納品は現場で削り合わせが必要だったもののうまく収まり、懸念していた奥行き寸法も
部屋のスケールに合い、驚くほど居心地の良い納まりになりました。



そして次はテーブル。






さあ、遠慮せずに