2013年9月29日

秋の文化月間


明日9月30日から10月6日までの一週間、銀座のギャラリー悠玄で行われる
「男たちの手仕事展」に出展させていただきます。



焼物、縫製、革細工、彫金・・・。様々な先輩作家さんたちに混じっての出展、
初めてお会いする方も多く、良い刺激をいただけそうで楽しみにしています。

お近くまでお出かけの際は、ぜひお越しください。



「ギャラリー悠玄」
泰明小学校のすぐそばです。





2013年9月21日

名物自慢


家具ではありませんが、三重の実家から「かぶらせんべい」を送ってもらいました。

おそらく小麦粉をベースにしたおせんべいですが、ほんのりと甘く
洗練された印象を受けるお菓子です。

ご覧のように、大・中・小が詰め合わされたルックスはなかなかです。

子供のころはおいしいとも思わず食べていたのですが、最近20年ぶりぐらいに
食べたらその素朴な味に虜になりました。

小さいころ好きだったものに何とも思わなくなる。そしてその逆もまた然り。
「変わらないもの」っていったい何だろう。と、ふと考えました。







2013年9月12日

張替え中に考えた


大きなソファー張替えのお仕事をいただきました。
うたた寝のベッド代わりにも使われていたらしい。


3人掛け一本と1人掛けを二本。
すべて鋲打ち+クッション交換、さらに本体にも手をいれるため結構なボリューム。
しばらくかかりっきりになるだろうな、と裂地はがしを始めました。


そして1人掛けを二本はがしたところで、この二本の製作者が違うことに気がつきました。

このソファー、外見は同じ形をしていますが、座面の中の構造が二本とも全く違う作り方をしてある上に、細かい材料も違っている。

作業をしながらだんだん判ってきたのは、片方はおそらく個人の小さい特注工場に外注に出されたソファー、もう一方はメーカーが大工場で大量に張り上げたものだ、という事です。


椅子張りの世界ではよくあることなのですが、外注したときの時期やコストの掛け方、製作者の考え方や設備の差で同じ椅子でも細かい差は出たりします。
しかし同じソファーでここまで作り方や急所が違うものは初めて目にします。

はがすといろんな事が見えてきます。


両者を比べたとき、おそらく個人の工場で張られたものは、釘を打つ癖や特注屋さんらしい細かい気の使い方から、古い職人がひとつひとつ仕上げているなあ。という印象を受けました。
僕の親方も古い職人だったのですが、その時に散々叩き込まれた作業の勘所がこのソファーでは全く同じでした。

そして大工場の方は洗練され、非常に合理的な張られ方がしてありました。
材料の段取りや作業の仕方が何十本も一気に用意されていないとできない方法だったのです。
このような仕事は発想の仕方が非常に参考になります。
「ああ、こんなやり方があるのか」「この材料は大量に用意できないと大変だ」


どちらが良い、悪い、ではなく種類の違う仕事の進め方。同じ製品でも考え方がこんなに変わるのか、と思うと面白いものです。

椅子をはがしながら様々な物語を連想する。これも作業の楽しみです。


2013年9月3日

抹茶スツール③

スツール製作


5月から進めてきた、三重のテキスタイル作家harunachicoさんとのコラボレーション
スツールが完成しました。



もともと抹茶スツールという定番商品として開発したスツール。
ご夫婦でいらしたharunachicoさんと初めてお会いして「一緒に何か作ろう」と、お酒で意気投合したときに頭に浮かんだのがこのスツールでした。

先方にとっても、このような張り物にご自身のテキスタイル作品を張るのは初めてだろうし、
こちらも作家さんのテキスタイル作品を張り込むのは初めてで、面白い作品が出来上がる気がしました。

いつもharunachicoさんの作品を見て、ポップだけれどもどこか冷静な雰囲気を持つ・・・
甘いだけでなく少し苦みの混じったデザートみたいだな、と思います。
この、他ではなかなか出せないセンス、初めて拝見したとき真っ先に京都とパリの雰囲気が浮かんだのですが、お二人の勉強時代のお話を聞くとやはりそのようなものがバックボーンにあるようです。



こちらのスツール、9月14日から10月6日まで工房すぐそばのギャラリーJIKE STUDIOで開催のharunachicoの世界展」で展示されています。
お時間のある方はぜひ、ご覧にいらしてください。









さあ、遠慮せずに