2013年3月24日

大きいダイニングテーブル

ダイニングテーブル


横浜青葉区N様邸にダイニングテーブルを納品しました。

材料はチェリー材。写真ではあまり大きくありませんが、長さ2m×幅80cmの堂々とした大きさです。

ご夫婦のお話によると、自分たちの生活をコンパクトにするためについ最近、鎌倉の近くから横浜青葉区に引っ越された、との事。
そして引っ越しを期に家中の家具やモノもほとんど処分された、というお話でした。

そのため引っ越されたマンションには、ダイニングテーブルもなく何かと困るため、早急にテーブルをお探しだった。ということです。


オーダーをいただき早速作り始めましたが、チェリー材はやはり柔らかい雰囲気で上品な材料だな、と思いました。
これから半年後にはすばらしい褐色に変色して深みのある
色とツヤになると思います。

また、製作にあたって散々悩んだ天板R部分も、「仰々しくなくてちょうどいい!」と喜んでいただきました。

2mのテーブル、なかなか普通にはない寸法ですが実物を目の前にすると結構な迫力です。

完成したときにまず思ったことは、(・・・ウチにも欲しい・・・)
将来への夢にもなりそうです。
     




2013年3月15日

曲線考


最近ダイニングテーブルを製作しています。

まだ完成写真はお見せできませんが、部品のR(曲線)で随分と考えました。
5mm変えては元に戻し、一度削ったものをもう一度やり直し・・・。

あれこれいじっているうちにひとつ、「これだ!」というRが出来上がりました。
心の中で(これが僕の曲線や)という声が聞こえてきます。

その時ふと思い出した事があります。

渡辺  力さんという、今年1月に101歳で亡くなったデザイナーがいます。

プロダクトデザインの超大御所として90歳代半ばまで活躍していた方ですが、以前私が勤めていた木工所に10年ほど前、力さんがご自身でデザインされた特注家具発注のためいらっしゃったらしいのです。

その時の力さんの家具のデザインでどうしても作りづらい所がある。
その形を簡単なものに変えれば手離れも良くなり製造コストも下がる。
なのに力さんは頑として形状変更を認めなかったらしいのです。

その時力さんが放った言葉が、「これは僕の曲線だから」。

この言葉で親方衆もしぶしぶその形を製作したらしいのです。

「頑固なジイさんで困ったよ」とジイさん親方は笑っていましたが、その時この話を聞いた自分はとくに気にも留めていませんでした。

ところがテーブルを製作している時に、なるほど、こういうことだったんだな。と思い出しました。


人からみれば何も気にも留めないような所に考えを巡らせて悩む。
そのようなことの積み重ねで自分らしい形というものが出来上がってくる(発見されてくる)のかもしれません。





2013年3月10日

その後の後


最近、大量の材料を作業場に運び入れました。

ただでさえ狭い工房なのに、壁から床一面まで材料が溢れかえり、まるで材木の中を泳ぎながら作業をしている感じです。

それをひたすら木取り。

これだけを大量に材料取りすると、膨大な木屑が発生します。
工房では普段から木屑がある程度たまってくると、工房の近所にある
「雪印 こどもの国」ポニー牧場に持っていきます。


ベニヤの混ざっていない木屑は、ポニーさんたちの寝床に非常に具合がいいらしいのです。
お食事中に失礼します。

木工作業をしていると大量の木材を削りますが、いつもモッタイナイ、果たしてここまで自然のものを削り捨てていいのだろうか。と考えてしまうことがありました。

しかしポニー牧場ではこの木屑をポニーたちが寝床に使い、さらに使用後は近所の農家が引き取って畑の堆肥として再利用されるらしいのです。
知人の紹介でこちらに木屑を持ち込まさせてもらえるようになってからは、そのような考えで手を止めることも少なくなりました。
なにより閉園後にお邪魔する厩舎の、静謐でのんびりした雰囲気が素晴らしいのでいつも癒されて帰ってきます。

みなさんも工房にいらっしゃったときは、ぜひ、こどもの国にも足をお運びください。


ちなみに隠れキャラとしてロバもおります。
ロバートさんと(勝手に)命名。

         ロバ、飼いたいなあ・・・。




2013年3月1日

浅い棚②

カウンター


豊島区のN様のマンションに据え付けのカウンターを製作しました。

最近このマンションを新築で購入されたらしいのですが、引き渡し・入居前のインテリアリフォームの一環でご注文をいただきました。

既存のキッチンカウンターにサブカウンターをL型に増設したい。とのこと。
材料はウォールナット。チョコレート色のおいしそうな材ですが、お客さんにわざわざショウルームまでお越しいただき仕様を決定しました。

オイルで塗装をすると、余計おいしそうな色にみえます。

今回のお仕事は木部はもちろんですが、天板に天然御影石を乗せ、既存カウンターが延長したように見せるところに気をつかいました。
御影石もいろんな柄があるので、石屋さんにサンプル材をいただき、現調で撮影した写真と比べた上でお客さんにGOサインをいただきました。

家具を固定して、石を乗せる前の状態です。

石屋さんとの間に入っていただいた建築士さんやお客さん、取り付けに手を借りた友人には苦労をかけましたが、なんとか現場に納まりました。

今回の現場は家具に合わせてコンセントを移設したり、他の業種の人たちと協同したりとずいぶん勉強になりました。
お客さんもみなさんもありがとうございました。





さあ、遠慮せずに