やきもの
20年来の友人でもある陶芸家・勝田友康さんの杯を購入。
うれしくて撫で回していたのだが、ひとつ気がついた事がある。
彼のうつわは、持つ人間の手、指を美しく見せる。
毎日の作業で汚れ、傷だらけになった自分の手を見て
ふと「あ、いいなあ」と思ったのはこの時が初めてだが、
手にした杯が、ぴたりと手のひらに収まっていた。
杯の美しさが自分の手を引き立ててくれ、そして自分の指の無骨さが
うつわを引き立てていた。
杯から漂う独特の緊張感と華、そして潔さと隠し味の茶目っ気。
そんなものがまわりを美しくさせるのだろうか。
そういえば勝田さんはいつも人を引き寄せる。そして彼は自分の製作する
うつわの雰囲気によく似ている。