2015年11月15日

木味


先日、楢材で薄板を作るために材料を半分に挽き割りました。
一枚の板を挽き割り、本を見開いたように並べると、当然その二枚の板は
左右対称の木目になります。


bookmatch(ブックマッチ)と呼ばれる状態ですが、その美しさに目を引かれ作業の
手を止めて見入っていました。

おそらく北米からはるばる海を越えてやってきたこの材料。
どんな場所で生長したのだろう。
どんな環境で大きくなったのだろう。

いつもは木材を見てその来歴よりも、傷があるかどうか、節があるかどうか、など
材木としての弱点という視線でしかものを見ていなかったのですが、節や逆目などを
生体の魅力として考えた途端に、材料の見え方がはっと一変しました。


一昔前の製材屋の老職人ならば、一目でその木材の年齢や生育環境を見抜いたはずです。
自分たちは自然のものを相手にものを作っていることを、あらためて再認識しました。

材料の魅力だけに頼った家具は作りたくありませんが、そのようなことにも考えがおよぶ
余裕と力量を持ちたいものです。







さあ、遠慮せずに