葉山・加地邸
10月、11月の週末だけ公開されていた葉山の加地邸を見にいきました。
まずはアプローチ。正面からは建物の見えない細い路地。大谷石が見事です。 |
三井物産のロンドン支店長を勤めた加地利夫氏が、1928年に自分の別荘として葉山に建てたこの住居、
設計はフランク・ロイド・ライトの高弟、愛弟子と呼ばれた遠藤新。
そこを抜けると、 |
遠藤さんは人の動きを水の流れにたとえて建築の動線を考えていた方で、この加地邸の建物へのアプローチも
感動的、情緒的な設定がされていました。
建物に到達。 |
そのような考えは、建物の中でも徹底されていて、動線だけでなく、人の視線の動きまで考えられ
設計者の思惑どおり水のように建物の中を回遊した気がしました。
フランク・ロイド・ライトといえば、落水荘などが有名ですが、ライトも建物を設計するのに
水や火の要素を重要視したのは有名な話です。
一番弟子だった遠藤さんもそのことから様々なことを学んだのでしょうか。
ちなみに邸内は撮影禁止でしたが、家具や建具なども建物と統一されすばらしいものでした。
現在お孫さんが所有されている、というこの建物、普段は公開されていませんが
これからどのように維持・活用していくか検討中、とのこと。
願わくは常時公開のような形で遠藤建築を開放してもらいたいものです。