2014年4月1日

鋏を買う


先日、種子島の鍛冶屋さんの鋏を買いました。
ひげさんのお店。


ふと、ある本の記事で目にして一目惚れ。

さっそく、種子島のひげさんのお店に電話で問い合わせてみたところ、
(おそらく)年老いた女将さんが対応してくれました。

お話によると、この鍛冶屋さんは鎌倉時代以前より続く37代目の鍛冶屋さん。
当主の牧瀬さんは現在も鍛冶をしておられるが、男子がおらず、「牧瀬」の名は当代限り、というお話でした。

素朴ながら、熱を帯びた女将さんの語り口に引き込まれ、その場で種子鋏(たねばさみ)を注文したのですが、届いた品物をみて、さらに感激しました。


包みを解くと、鋏がまるで鍛冶場から直接送られてきたかのような鉄の匂い、
端正なヤスリ目と、たがねで刻んだ「本種」の銘。


雑鋏として使える頑丈さと、素晴らしい切れ味をもったこの鋏、
1000年続いた(牧)の銘が種子鋏に刻まれるのは残念ながら、おそらくもう
あとわずかですが、その中の一丁を手に出来た嬉しさと、
素朴ながら丁寧に作られた鋏を見ながらいろんな事を考えています。

この刃のねじれが切れ味の秘密。





さあ、遠慮せずに