2016年6月6日

ヒーロー


90年代半ばに上京し、漫然と学生生活を送っていた自分にもたくさんヒーローがいた。
ミゲール・インデュライン、マイケル・ジョーダン、初代・高橋竹山、ジミ・ヘンドリックス・・・etc etc

そしてこの人。

当然現役時代は知らないが、映画館で観たアリのドキュメント映画から伝わってくる熱気に圧倒され、
スタッフロールが終わった後、他の観客とスクリーンにスタンディングオベーションを行ったのを覚えている。

あの頃、ヒーロー達は自分の思想・信条と強烈な推進力で目的に向かって突き進み、
その余波が熱を帯びて時間も場所も越え、自分にも様々な影響を与えてくれた。

本物ってこういう事なんだろう。

熱波を浴びて20年たった今、考える。



2016年5月27日

図面 × 製作図



ダイニングチェアの試作が終わり、原寸図を引いています。
本職の図面書きの人が見たら驚くような端折り方もしている。
しかし、もはや製作図も兼ねている段階の図面。作る人間には判りやすいと思う。

これでいいのだ。たぶん。




2016年5月20日

子供用デスクセット(大人用学習机?)





小学生になったお子さんのために、というオーダーでデスクセットを2セット製作しました。
「子供用」とあっても、もちろん大人も使えるサイズ。

言葉だけで使用の対象が限定されてしまうのはもったいない。
何か良い家具名はないだろうか。


2016年4月14日

会津若松 さざえ堂


今回の丸太の買い付けに付随する形で、会津若松のさざえ堂の見学にも行きました。



幕末戊辰戦争での白虎隊で有名な会津若松。このさざえ堂はその白虎隊自刃の場
会津若松飯盛山の中にある建築です。
もともとは江戸時代後期に建てられた寺社仏閣でしたが、現在は個人が
所有するというこの建物はその内部構造の特異さで有名な建物です。

左螺旋で上へ参りま〜す。

入り口左手の螺旋を登って頂上を目指すのですが、お堂の頂上でそのまま
下り螺旋に入ります。

左奥から上り、中央橋架部分を越え右手螺旋で下ります。

上りと下りが一度もすれ違わない二重螺旋、さらにこれが木造で建てられている
というのは建築の専門家がみても興味深い構造だと思います。
実際、昭和40年に日大理工学部が実測調査に入り、その立面図の写しを受付売店で
購入することができます。



さざえ堂とはよく云ったもんだ。

江戸時代、世の中に現代社会ほど刺激のないころに建てられたこのお堂を
当時の人々はどのような思いで眺めたのでしょうか。
昔の(とくに宗教関連の)彫像や建物をみると、そこにかけられた手間やエネルギー
の濃さに驚く事が多いのですが、それは=祈りの深さということにもつながるのでしょうか。







2016年4月4日

ふたたび南会津へ


工場のまわりでは桜も満開になり、いよいよ丸太のシーズンも終わるこの時期を
狙って、昨年に続き、今年も福島の南会津へ丸太材の購入に出かけました。


高速のインターを下り、そこから山道を1時間半ほど走るのですが
今年は雪が少なく暖かかった。
拍子抜けしながら材木の土場にたどり着いたのですが、東京の職人仲間と現場で
落ち合い丸太の山を見ると一気にアドレナリンが沸きます。


どんどん目移りする中で、値段や材の雰囲気から、山桜とクリの2本どちらかまでに
候補を絞りました。
大きさ、形、共に申し分はなさそうだ。クリの木口をみると、しかし
根回りの割れが入っている。
サクラはあまり馴染みがないのと、以前見たサクラが乾燥中にねじ曲がり
真っ二つに割れんばかりの割れが走っていたことを思い出しました。




さあ、ここからが大変。
一日目の下見を終え投宿したのですが、その仲間も自分も無口のまま。
部屋に入っても無口のまま。
食事を摂っても無口のまま。
お酒を呑んでも無口のまま。

頭の中は明日丸太を買うかどうかで一杯です。
その時、ちょうど昼間土場でお会いした丸太買いのベテランの方たちが
食事にやってきました。
そこで丸太買いの色々な経験談や心構えを聞き、さあ、盛り上がるか!と
思いましたが、やはり2人は言葉少な。

丸太は何万円も出して買い取って、製材してから初めていい材か
悪い材かがわかるのですから、慣れるまではバクチをするようなところがあります。




宿のまわりを散策。


翌日は快晴。
それでも心は晴れず、土場へ向かいました。
まだ決めかねている自分達の隣で、昨夜のベテランさんが何気ない一言。
「これからも買わなきゃわかんないし、何が出てもそれは自然のモノなんだから美しいんだよ」

必殺の呪文、ふたたびです。

2人ともそれぞれサクラとクリを買うことにしました。
腹が据わると強いものです。もう何でも出ろや。すぐ製材だ!

こちらは山桜。

材を製材台に載せ、巨大な帯鋸で板材へ。
先行した友人のサクラは大当たり。通直で美しい木目が現れました。
友人は弾けそうな笑顔とガッツポーズ。
ああ、いいな。うらやましい。と思っていると次は自分の番です。クリが製材台に
載せられ、帯鋸が轟音を立て始めました。

そして現れたクリの板材は・・・本人の心配はどこ吹く風。
そこに居合わせたベテラン一行が感嘆の声を上げるほどの板材でした。
自分は製材台の上で大喜びしながら、とにかく安心したのを覚えています。

注意・大きい音が出ます。

丸太買いは魚市場でマグロを競り買うのと同じ。と読んだことがありますが
大当たりの赤身やトロを手に入れるのはこんな気持ちでしょうか。



製材後、皮むきや割れ止め剤を塗るなどの後作業を済ませ、今回桟積みは
現地でお願いすることにしました。

これから2年間、無事に乾燥してくれるのを楽しみに待つ毎日です。
この材料でテーブルやカウンターを作ったら・・・などと考えています。
興味のおありの方はお問い合わせください。




2016年3月25日

葉山 カスパール


神奈川県の葉山にリニューアルオープンする「ブックショップ カスパール」
店舗兼住宅の新築にあわせ、店舗部分の什器とプライベート部分の本棚を製作しました。

こちらは本棚。


以前納めたギャラリーテーブル同様、建築家の根岸正典さんの設計した建物に
家具設計と製作の恊働として、製作を担当しました。

店舗キャッシャー台とカウンターテーブル。

今回はラフな仕上がりが欲しい。という事で、それぞれ
シナ合板、ラワン合板、ラーチ合板を使用して製作。
本棚は2020mm(w)× 2280mm(h)、いわゆる壁面一杯の収納として。
カウンターテーブルは2400mm(w)の大きなものになりました。


納品してお客さんに喜んでいただいたのですが、今回リニューアルオープン
するカスパール、
以前ドイツに留学していた店主さんが、ドイツや、ハンガリー・チェコ等
東欧のヴィンテージ絵本をはじめ、日本の絵本・書籍など、自分で大切に
したい本を集め、販売するセレクトブックショップです。

オープニングパーティーで訪れた店内は、なるほど年代を問わない品揃えで
目移りするものばかり。
本好きとして、思わず絵本を数冊買い求めてしまいました。


当日は催しのスペースの都合上、在庫をすべて出す事ができなかったらしく、
再訪の楽しみを残すものとなりました。



お店は葉山の目抜き通り沿いにあるため、往来の車も歩行者もみんな
注目する場所になりました。
併設のギャラリーを含め、様々な催しが開かれるこのお店、
家具の様子を見がてら、ちょくちょくとお邪魔することになりそうです。





本屋の証。


「BOOKSHOP Kasper」
神奈川県三浦郡葉山町一色1462-5
046-874-7031
http://www.kasper.jp

建築設計「根岸正典・計画工房」
神奈川県藤沢市川名2-1-2-4F
0466-27-0432




2016年3月12日

四たびのカウンター下収納


横浜青葉区のKさまのご注文で、カウンター下収納を製作しました。



ある日工房にいらしたお若いご夫婦。
お話を伺うと、どうやら新築のお家にお引っ越し。そこで対面カウンターの下の
デッドスペースが気になり、量産家具のお店を探したが意中のものが見つか
らなかった。というお話でした。
どうしても気に入るものがなく、では特注製作しようと作業場までいらしたお二人、
製作した家具が溢れ、半ば倉庫と化したショウルーム。そんな状態に慌てながら
しどろもどろになり家具の説明をする怪しい男を前に「うん、ここに頼もうか」「そうだね」

『・・・え?ホント?』
その蛮勇と判断のスピードに思わず目を丸くしたところから製作が始まりました。




打ち合わせの結果、背板無し・可動棚・扉をつける。という仕様は決定しましたが、
家具本体とカウンター天板の出っ張りをどうするか、という問題が発生しました。
最初は「家具がカウンターから出っ張ってもいいですよ」というお話でしたが
やはり使い勝手がよくないのと、ホコリが溜まる。等の問題に配慮し、扉の上部をオープン
して、奥行きをすぼませることにしました。



壁面と床にしっかり固定してあります。


納品の前日まで細部の調整を行い、その晩は色々考えて目が覚めてしまいましたが
家具をお持ちした現場でご主人が「カッコイイ!いいね!カッコイイ!」
と喜ぶ様子を見て、体から力が抜けました。




新築のお家に新しい家族。この収納もこれからどんな変化をしていくのだろう。
いろんな思い出が刻み込まれていくといいな。そして生活で使われ、時間がたった
この家具をまた見てみたいな。
そんなことを考えながら、春の現場を離れました。




さあ、遠慮せずに