やっとできた。ハイバックチェア
家具屋の最重要課題として、以前から作らねば、作らねば。と呪文のように
唱えていたオリジナル椅子製作。
苔の一念、岩をも通す。呪文が通じたようです。
材料はチェリー、座を椅子張りで仕上げました。
製作の順番から椅子は後納品にさせてもらったのですが、テーブルの納品時に普通の背さのダイニングチェアの原寸モックアップを製作し、B君に見てもらいました。
するとB君、おそろしく真剣な目つきでその試作品を眺め始めました。
そして・・・
「ん〜、これなあ。。。もうすこしなあ。。。ハイバックがええなあ。」
「え?」
「ハイバックがええ!これじゃあこの空間に負ける!もっと!もっと存在感が欲しいねん!」
「存在感?」
「そうや!こんなに背が低いともう・・・空間に負けてる!」
「普通の椅子はだいたいこんな高さやで」
「さらに後脚から背が弓なりで、脚が踏ん張ってる感じにして欲しい!」
「・・・」
手縫い。 |
またもやのやり取りの末、詳細が決まりました。
ここからの椅子の製作は結構な手間がかかります。
1 スケッチを起こし、大体のデザインを決定。
2 1/5の図面を引き、同スケールの模型製作、プロポーション決定。
3 原寸図を起こし、実物試作を製作。座り心地や細部を調整、完成形決定。
4 木部製作
他の人のやり方は判りませんが、だいたい皆さんこんな感じでしょうか。
今回のハイバックチェアは座面を張り込んであるため、さらに
座のクッション下ごしらえ・布地の型取り・裁断・縫製・張り込みまで行います。
座のクッション下ごしらえ・布地の型取り・裁断・縫製・張り込みまで行います。
こんな手間を考えると椅子製作は割にあわない仕事ですが、やはり華やかで面白い。
納品したB君にも「イメージ通り、イイよ!かなり!座り心地も気持ちイイ!」と好評で安心しました。
この後さらに背当たりの修正と細工をしました。 |
椅子の製作は時間がかかるため随分時間をいただきましたが、ようやくそれが済みました。
製作中は様々な困難と向き合いますが、いざ完成すると次に作りたい椅子が次々と湧いてきます。
いつも新しいことに挑戦する機会を作ってくれるBくんに感謝。
そして長らくお待たせしました。
1/5模型 |