2013年4月14日

張替え⑦

張り替え天国


しばらく続いた椅子張り替えのお仕事が続々仕上がってきました。
まずは世田谷区H様宅のダイニングテーブル。

この仕事、毎日使用されている椅子の座面が座りづらくなったので張り替えて欲しい、というお話でした。

以前ご自宅で表面の布地だけ張り替えた。ということで、そろそろ中のクッションも交換をすることになりました。
まずは裂地はがし。
いわゆる二重張り、というやつです。
これはお客様がご自身で張られた座なので問題はありませんが、昔はこのように表面の裂地を被せただけで張り替え代を請求する悪質な業者もいたようです。

二重の布を取払い、もうへたっているクッションもはがして木部だけにします。

するとウェービングテープというゴム状のテープを張ったものが出てきました。
今回はこれも取払い、新しく本数も増やしてテープを引き直しました。そしてさらに細かく手をいれた後、チップ・ウレタンでクッションを作り直します。

これで下ごしらえは終了。そして裁断しておいた裂地を張ります。

すると、

こちらの椅子が、


こうなります。

座るとヘタって苦痛だった座面も固さと腰を取り戻し、お客さんにも「椅子が様変わりした!」と大変喜んでいただきました。
納品の時に喜んでいただくと、こちらも帰り道は背中に羽が生えたように嬉しくなります。ありがとうございます。



そして次はコチラの介助椅子張り替え。
15年ほど前の裂地でしょうか。
一般的な椅子と違い、背中、座、オットマンが電動で動く特殊な椅子でした。
お仕事をいただいたとき、まず思ったことは(分解できるのかな・・・)

写真だけでは判らなかったので実物を拝見すると、なんとか張り替えが出来そうなので仕事を引き受けました。
ところが苦労して分解し、裂地はがし・張り替えをすませましたが、椅子を組み立てるのが予想以上に難しく冷や汗が吹き出しました。

張り替え後がこちら。

リクライニングなどの機構も問題なく稼働したのでやれやれですが、このような特殊な椅子や高級既成家具の構造は驚くような手の込み用です。

自分たちのような個人製作者はどこで差別をつけていくか、最近考える課題です。


カタログへ




さあ、遠慮せずに