2017年11月4日

初志貫徹・・・執念?



仏師の友人のアトリエに顔を出しました。
彼とは、会うといつも木材や刃物、道具の話で話題が尽きません。

鑿、鉋、定規、カメラ、レンズ・・・。
尽きぬ話の中で一度、なぜ仏さんを彫る仕事に就いたのか聞いたことがあります。

「自分は小学生の頃から仏師になりたかった」

その細かい動機まではお聞きしませんでしたが、
非常に印象に残る一言でした。
お医者さんでもスポーツ選手でもなく、仏師という特殊な仕事に
夢を抱き、小学生からの目標を達成する。
面白い人だな、と思うと同時に、自分の小学生の頃の夢ってなんだっけ?と
それを思い出すことさえできない我が身を考えました。

今、彼はある大きな寺院のために巨大な龍を4体、1年がかりで
彫り続けています。
生来の持続力できっと素晴らしい彫刻を彫り上げると思います。




2017年9月25日

ま〜、まずはビールでも



金沢で用事の合間に入ったお座敷。
大正時代に建てられ、現役で使われているお土産屋さんの建物2階。

当地独特の赤い色壁と、繊細な作りの建具。
そして1フロアぶち抜きの大座敷を抜けてゆく風。

昼下がりのゆるゆるした空気と共に、あ〜、気持ちいいってこういう場所だよな、
と思わず独りごち。

控えめで品があって心地よい。なんだか示唆に富んだ所です。




2017年8月28日

夏のきもち



東久留米・自由学園内の木工室で一日作業。
開口からの残り日が少しうらめしい。




2017年8月22日

ヨット



ご縁があり、ヨットハーバーで打ち合わせと宿泊。
ぼんやりと海鳥を見たり、陸に上ったヨットを眺めたり。

ヨットの美しさ・船内家具の優美さや機能性に目を惹かれ
時間は過ぎていきました。




2017年8月2日

格子戸収納



リビング用のオーディオ収納、TV台、整理収納を製作しました。
材料はナラ突き板合板と無垢材のハイブリッド。

左からそれぞれ間口1,1m・1,5m・1,1mのヴォリュームですが
背板と壁の間にスペースを取り、それぞれの側板にスリットを設け、
オーディオの配線が3台の裏面を自由に動き回れるように設計しました。

収納の引き違い戸は、最初から縦スリットにしようと思いましたが、
あまり日本的なものにならないように、と考えていました。

しかし様々な縦格子を見ているうちに、やはり宿場町の縦格子の美しさを
再認識。


強度を考え入れた、横桟の高さをTV台の高さに合わせ、
3台の家具全体の水平ラインを揃え、すっきりとした印象を出しました。

置き家具と造作家具両方の要素を持った面白い案件。
いろいろと勉強になりました。




2017年7月12日

昔のもの



少し前、ジャガーEタイプのシート張り替え検討のお話をいただきました。
こういうものは本来『車の内張り屋さん』と呼ばれる専門職が存在しますが
「本革を扱えるのならば・・・」と、近所の車屋さんから相談を受けました。

最終的には車のオーナーの判断で、張り替えをせずに当時のままの姿で
使用する事になりましたが、自動車のシート張り替え、
ましてやジャガーのシート張り替えとは面白い話があるものです。

一度座らせてもらいましたが、背中のR、腰のサポート、クッションの
座り心地、張り地の革の仕立ての良さ、そして全体の形の美しさ。
すべて良好でよく考えられていました。家具とはまた違う機能美です。

当時のデザイナーやエンジニア、メーカーの気概を感じ取れるものでした。





2017年6月9日

お題



梅雨入り直前に湘南江ノ島へ打ち合わせに出かけた。
普段自分たちの使う駅から、電車で1時間足らずで、もうそこは別の国のようだ。
降り注ぐ太陽、海の近くゆえの開放感、歩いている人の人情まで違ってみえる。

こういう、普段と異なる場所に来ての楽しみのひとつにその土地その土地の
古い民家を見ることがある。
土地の気候風土に即した、理にかなった建物。日差しの強い場所には庇を深く、
湿気の強い場所には敷地や土台に工夫を凝らし・・・。
それぞれの個性を持った民家だが、そういえばこういう建物はだいたい築50年
以上のものばかりだ。60年代を境に住宅の様相が変わった気がする。

50年前の事を考えると、その頃あった大きな出来事といえば東京オリンピックだ。
やはり家具(とくに椅子張り)の世界もオリンピックを挟んで大きく
変わったらしい。
椅子張りの親方がよく言っていたことを思い出す。
「やっぱり(東京)オリンピックを境に材料が変わったね。ウレタンが
出てきたんだよ。
ウレタンが出てきたらそれまでの藁やバネなんか全然使わなくなっちゃった。
そっちのが全然手ェ早いんだもん。入ってすぐのヤツでもすぐに下ごしらえ
出来ちゃうし」

今、世間はそういう事への振り戻しの波と、さらにそれを突進める波の
二極化が進んでいる。ローカリズムとグローバリズムの対比だ。

2020年にはまた東京でオリンピックが開かれる。
そのとき世の中はどうなっているのだろう。




さあ、遠慮せずに