2026年4月15日

植木ハサミ 壁面収納



「ハサミのための棚を作って欲しい」
「・・・?」

三重県四日市市の植木屋さんからのご注文で、植木ハサミ用の
壁面収納を製作しました。

仕事の合間に集め始めた剪定鋏、刈り込み鋏も合わせ、
気がつくと古今東西 200丁近くになり、事務所開設のタイミングに合わせて
収納製作を検討していただいたようです。

お話を聞いた時は、もっと倉庫的な収納を考えていましたが
話がどんどん大きくなり、「ガラスの中に並べたい」「壁面一杯に並べたい」
「ハサミを見ながらお酒を呑みたい」

・・・あれよあれよとご覧のデザインになりました。

収納への並べ方もこだわりをお持ちで、「ハサミを立てて並べたい」
「自由にレイアウトを変えたい」との事。

家具の大きさもさる事ながら、規格品ではないので大きさも形も不揃いの
植木ハサミを『滑らず・倒れず・簡単にレイアウト変更できる』構造にするのに
苦心しました。

ハサミ好きが高じて、マイ鍛冶場まで作ってしまったお客様。
全面に並んだ植木ハサミを満足げに見ている姿を見て、こちらも
安心しました。

「まだ足りない刈り込み鋏用の収納もお願いしようかな・・」
最後の言葉がボディーブローのように効いています。


・ハサミ用壁面収納
 2730w × 2390h × 270d
 タモ無垢・突板合板




2026年1月30日

 再・水指し蓋


大津の陶芸家 澤岡織里部さんの水指しに蓋を製作しました。
材料はタモ材

「繊細な蓋にして欲しい」という事で、最初は厚さ7mmで製作したのですが
頭デッカチに見えてしまい、次は4mm・・・繊細を通り越して貧相に見えて、
では6mmで試作 ・・やはり微妙に厚ぼったく、結局5mm厚で製作決定しました。

そして旋盤を使わず製作しましたが、やはり真円で無いのが気持ち悪く、
薄物を旋盤で回す方法を考え、作り直しました。

タモは「板目少なめの板柾」で使用するため、ブックマッチで柾目剥ぎを
行いました。ツマミも共木で製作。

少しづつ表現の幅を広げながら、常に美しいうつわを作る陶芸家
そのうつわの美しさを、少しでも引き立てる事ができれば望外です。




2025年10月22日

 吉村ジャナイ障子



通りすがりに見かけた障子が美しかったので、ショウルームに製作してみました。

骨ものの建具の構造も、材料も、全く検討がつかず。自分であれこれ勉強して
見よう見まねで形にしたものです。

近頃よく見かける、框と組子の太さを揃えた吉村障子では無く、
框の内側四方に組子を回した、クラシックで繊細な障子を目指しました。
どちらかというとイソヤ風でしょうか。

源平のヒノキですが、材独特の清潔感と相まって、背中のすっと伸びる
障子が完成した気がします。

この障子を立てると、ショウルームの光線が和紙を通した柔らかな光に変わり、
なんとも言えない安堵感に包まれます。


・FIX障子 
 1650w × 545h
 ヒノキ / 剣呑で取り外し可能




2025年8月1日

 クルミ耳付き材テーブル



ショウルーム用に共木のクルミ材でテーブルを製作しました。
このような耳付き材の場合、木取りの仕方で表情がガラリと変わるので
今回は時間をかけて、念入りに甲板の木取りを検討しました。

またこういったタイプのテーブルの脚は、もう完成され尽くした
定番のデザインがありますが、今回は趣を変えようと思い、
丸材でスッキリした意匠を考えました。

このテーブルは甲板も脚も、10年ほど前に岩手で丸太で買い、福島で挽き、
東京で自力天然乾燥させ、それから工場で寝かせていたものです。
甲板材の隅に、身惚れてしまうような美しい虫食いの穴が出てきました。

普段なら落としてしまうようなものですが、あまりの見事さにこれを
意匠として表に出そうと思いました。そこで虫穴に透明レジンを流し込み、
固め込んでみました。

倉又史朗さんのミス・ブランチよろしく、自然のものが一瞬で
人工物に閉じ込められたような「永遠の美しさ」に少しでも近づけないかな、
と考えました。



・クルミ耳付き材テーブル
 1090w × ((650d) × 700h




2025年6月24日

 木の感覚


最近、クルミ材の木取りをしています。

乾燥機に入れて強制的な人工乾燥をさせていない、丸太挽きの天然乾燥材ですが、
木取り中に手がしっとりしている事に気がつきました。

同じクルミでも、人乾材は乾き切り、バサっとした物を触っている感じがします。
天乾材は木の生き物感、油っ気が残っている。

木材自体にあまりストレスがかかっていない感覚を受けました。




2025年4月17日

 玄関扉


工房横に作事中のショウルームに、ミャンマーチークで引き戸を製作しました。
ガラス戸・網戸・木戸、の三枚引き戸の最後の建具。

重量対策のため、中央の板8枚を12mm厚に引き割り木取り、両端に
7mm幅で雄雌の本実(ほんざね)を突き、材をはぎ合わせたものを
フラッシュ芯材に両面プレス。
一枚の板状にしたものの四方に通しの段欠きを切り、無垢の框で組み固めました。

慣れない建具製作のため、構造と製作には頭を使いました。

春冬の冷たく強烈な北西風と、夏の西陽に耐える事、さらには
「中心のある家」へのオマージュで採用したチーク材
独特の質感が建物の格を引き上げてくれました。

今の所、箱だけが立派になっていくような気がしますが、
やがて中身も追いつけるようにがんばります。


・玄関扉
 1800h × 780w × 40t
 チーク材 / フラッシュ構造を框で組み固め




2025年4月1日

 小ぶりのダイニングテーブル


建築家・根岸正典さんの案件で、山形湯野浜温泉のKAMEYA HOTELに
ダイニングテーブルを製作しました。

届いた図面は驚くほどシンプルで、製作前はどうだろう、と思いましたが
形にしてみると非常にカッコいいテーブルになりました。流石です。

シンプルな分、各部材のチリや面の取り方に気を遣い、
構造に工夫をして強度を高めてあります。


・ウォールナットテーブル
 800w × 800d × 550h
 無垢材・突板合板 / ウレタン黒拭き取り、クリア塗装

・ナラテーブル
 1000w × 600d × 550h
 無垢材・突板合板 / ウレタンクリア塗装




2025年1月23日

 古建具


古い建具を修理のため全て分解、割れたり無くなっていた
部品を製作し、ガラス溝を突き直し、組み立て直しました。

地獄ほぞ、2枚ほぞ、馬乗りの4枚ほぞ・・・。
作られてから数十年経っているだろうに、組み立ても
ぴたり、ぴたりと決まる正確な加工。

民家の外勝手戸の様な建具にもこれだけの手間を(当然のように)かける。

高性能の接着剤や電動工具で、手離れ優先の力づくで押さえ込むような
現代の木工。

自分は特に懐古主義者ではありませんが、材料や技術の変化、
それに伴う仕事や世の中の時間の流れ方の変化。

全てが行き過ぎのような気がします。




2024年11月27日

 サイドテーブル


フォールディングチェア用に、サイドテーブルを製作しました。

3本脚のすっきりした形と、甲板をいかに軽く見せるかにミリ単位の調整を
繰り返しました。

片手で軽く持ち上がる取り回しの良さが特徴です。
直径・高さの寸法も、○・△・□の甲板での形も、自由に製作が可能です。


・サイドテーブル
 260Φ × 600h
 ナラ材




2024年9月23日

 バネ張り椅子 修理


大田区のお客さまからのご注文で、
座のバネが落ち込んでしまった小椅子を修理、張り直ししました。

目黒の骨董屋さんで、「優美で可愛らしい姿に一目惚れ」して購入した小椅子。
修理のご相談を受けた時は、木部はガタが来て、座のバネは落ち込んでしまっていました。

しかし、「一度はしっかりしたこの椅子の座り心地を体験したい」というご依頼で
座面に手を入れることになりました。

そこで座を下地まで全て剥がし、木部の仕口を取り直して再組立、
バネを吊り直し、藁土手を刺し直し、クッションにパーム材を詰めて、
元の張り地で張り直しをしました。







剥がしての釘や手跡から推定できることは、おそらくこの椅子は
最初ヨーロッパ(フランス?)で製作され、その後、一度か二度張り替えられ
日本にやってきた後、化粧程度に軽く手を入れられた。しかしその間、木部や
バネ等の基部に手が入れられることはなかった。ということでした。

見た目や大きさのカジュアルさとは裏腹に、オリジナルの中身は、馬毛や
高度な土手刺しの技術で製作されており、修行中、年寄りの親方たちが
「昔はこういうものがあった。こういうものをやったことある」と話して
いたようなものでした。

現在は手に入らなくなった材料を、入手できる材料に置き換えたりしての
張り直しでしたが、それでも全て天然素材の材料での置き換えが可能でした。

手間はかかりますが、かつては、それこそ身の回りのもので身の回りのものを
製作していたんだなあ。と感じました。

無理なくゆっくり回っていく。理想的な世の中を考えていました。




2024年8月11日

 彫刻家と洋裁家のための展示台



彫刻家と洋裁家のお二人からの注文で、作品の展示台を製作しました。

彫刻家の方が製材所と縁があり、天板・面材とも出処のしっかりした
ミャンマーチークで製作することができました。
また台を別々にも使える様に、ちょうどセンターでセパレートできる
構造にしました。

裏側の複雑な棚割り、面材の製材・施工等、少々苦労しましたが
チークの材質も相まって、二人の作品を引き立て、さらに展示の質を
上げることの出来る展示台が製作できたと思います。


・彫刻、洋裁展示台
 チーク材・ラワン合板
 1840w (920w × 920w) × 710h × 485d




2024年5月28日

 両面使いベンチソファー




小田原市の新築住宅現場に、両面使いのベンチソファーを納品しました。
設計者にいただいた住宅の平面計画は、ダイニング・薪ストーブ・リビングの三部屋が、複雑なスキップフロアで隣り合ったものでした。

その3つを緩やかに間仕切り、それぞれの部屋に居場所を作り出した上で、さらに
動線の邪魔をしないベンチを考えました。
そこで背中をR状にして、通り道の圧迫感を少なくするデザインを採用しました。
以前製作した蛇腹戸収納の技術流用です。

意匠・内部構造の試作を重ね、十分な強度が確認できたので、本製作に持ち込みました。

現場ではベンチソファーが据えられた事で空間に拡がりが生まれ、落ち着いた場所を作り出せたと思います。


・住宅設計
 篠原建築設計事務所

・両面使いベンチソファー
 チェリー材・クッション椅子張
 1740w × 665h × 1360d




2024年4月6日

 アフリカンプリント


稲城市のお客様からのご注文で、椅子の座面を張り替えました。

「普段使いの椅子じゃないから、張り地は椅子用だろうが何だろうが、
ホントに何でもいい」とのお話。

それじゃアってんで、服飾用のド派手なアフリカンプリントを
接着芯で裏打ちし、きっちりと張り込んでみました。




2023年12月24日

 回遊する夢


大阪・梅田で2023年10月に閉店した老舗ビアホールがあります。
そのビアホールに浅からぬ縁のあるお客様からのご注文で、カウンタースツールを製作しました。

その方は40年あまり前、社会人になって最初の実地研修でそこで働き、
思い入れのあるビアホール閉店の知らせに胸を痛め、それならばその
雰囲気を引き継いだ新しいビアホールをお茶の水に開店しようと考えました。

そこで梅田のビアホールで使われていたテーブル什器を引き取り、
その一部を使い既存のカウンタースツールと同じサイズで作り直して
新しいお店で使おうと考え、白羽の矢を立てていただきました。


中継地として名古屋に運び込まれた大量のテーブルを工場に引き取り、ダメージの
有無で部品リメイクの不可を判断。選り分けたテーブルをバラバラにし、木作り・
仕口作り直し、再度組み立て、本革のクッション部を製作して形になりました。

こんな面白いお仕事をいただいたHさん、設計・コーディネーターのTさん、
Hさん、ありがとうございます。面白いことをどんどんやりましょう。


・KEEL`S BAR Ochanomizu
 千代田区神田駿河台2-1-20 お茶の水ユニオンビル1F




2023年12月4日

 二人掛けベンチ



埼玉 大宮市のお客様に2人掛けベンチを製作しました。

狭いスペースなので普段は荷物置きに使用し、来客時に2人用の
ベンチとして使いたい、とのご注文でした。

ノイズの少ない形を目指し、脚と貫の構造部をほぼ同径の丸棒でデザイン。
同じ径の丸棒をつなぐ仕口に苦労しましたが、うまく形になりました。

お客様にも好評で、1日中、ベンチを眺め座りつされたようです。


・2人掛けベンチ
 ウォールナット無垢材
 1000w × 400d × 430h




2023年10月21日

 都筑区ソファークッション



横浜市都筑区のマンションリフォーム現場に、2,6mと2,2m・1,6mの
L字ソファークッションを納品しました。

1本もののソファーは、窓外からの風が小上がりまで吹き抜ける、寝転び
たくなる開放感。L字ソファーは奥まった場所に包まれる安心感に満ちた
プランニングでした。

コンパクトな室内に、種類の違う居場所がいくつもある贅沢さ。
気持ちのいい現場でした。


・設計施工 株式会社中山建設
      nakaken-nh.jp




2023年7月20日

 木製サッシ



故あり、木製サッシを製作しました。
アルミサッシのおうちでしたが、造園工事が終わり、金属サッシの
水槽的な息苦しさ、室内と庭の一体感欲しさに、木製建具へのリフォームを敢行しました。

外枠と板金工事は大工さんにお願いし、本職の建具屋さんに細かい
アドヴァイスを聞きながら、建具を製作しました。

既製サッシが好みでないお客様のため、ヘーぺシーぺなどの規格建具でなく、
錠も昔ながらのネジ締め錠を探しました。
厚物用のネジ締め錠はなかなか珍しいのですが、現在では生産されていない
宣徳仕上げの錠が手に入り、お客様にも喜んでいただけました。


建具が木製に変わることで、室内からの眺め・空気感が著しく向上しました。
近ごろ新築住宅でも、木製建具を選ばれる方が増えているようですが、
さもありなん、な結果でした。




2023年5月23日

 緑区ソファークッション


横浜市緑区の新築住宅にソファークッションを製作しました。
長さ3,5mの大きな間口に、L字型に1mほど伸びている、ボリュームのあるソファーです。

・設計施工 株式会社中山建設
      nakaken-nh.jp
・写真撮影 アドブレイン 塚本 浩史







2023年4月19日

 ガラスケース什器


ディスプレイ用ガラスケースを製作しました。
ケースを持ち上げやすいよう、下部に指を入れやすいフローティング形状と
しました。

上下シンメトリーのガラス立方体が、軽やかに宙に浮くような効果になったと思います。

・ガラス、ナラ無垢・突板合板
・420w × 370d × 365h




2023年4月13日

 収納二点



とある企業からのご注文で、応接室と会議室の収納を製作しました。

引き出し4杯と開き戸という構成は同じですが、目的の異なる両者の部屋に合わせ、
家具のキャラクターをうまく作り分けることができたと思います。

家庭向けの家具とは違い、趣味性よりも、機能に重点を置いた意匠で
製作しました。毎日の業務をサポートしてくれることを願っています。


・応接室収納
 ナラ無垢材、ホワイトオーク突板
 1020w × 700h × 450d

・会議室収納
 ポリ合板
 800w × 745h × 380d




さあ、遠慮せずに