2019年3月11日

シングルベッド


チェリーでシングルベッドを製作。
本体サイズは2024 × 1040 (mm)

お客さまのおうちの家具が主に欧州アンティークを中心にしている、
ベッドを置く部屋がカラフルなインテリア、優しい雰囲気のチェリー
での発注、などを踏まえ、そこに似合うクラシックな形を再定義し
みようと考えた形です。

出来上がったベッド、脚先の触り心地の良さ、柔らかくシャープなデザイン。
どこか落ち着いた雰囲気のベッドが生まれ、クライアントのお好みに
合ったようで安心しました。

近ごろは家具のデザインを考えるとき、お客さんとのとりとめのない
会話や希望、嗜好など、様々なものを自分の坩堝に放り込み、しばらく置いて
みるようになりました。そして考えるうち最初のきっかけが生まれ、
堰を切ってアイデアが沸いてくる事が多くなってきました

しかし着想のとっかかりはなかなか出ないもの。

ムリヤリ放り出したものに良いものはほぼ無く、ひらめきが出る
では考えを発酵させているようなものでしょうか。


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2019年3月3日

葉山の家 納品




・洋間壁面収納
・リビングTV台
・洋間収納 ①
その他
・玄関下足入れ
・洗面所手洗いカウンター、吊り戸収納
・洋間収納 ②
・書斎物入れ

すべてウォールナット無垢突き板合板・オスモ塗装







建築設計「根岸正典・計画工房」
神奈川県藤沢市市川名2-1-2-4F
0466-27-0432




2019年2月23日

ソファーベッド張替え


ソファーベッドを張り替えました。

お客さまの所から引き下げたソファーを剥がすと、
中身のウレタンは劣化して粉状に。
15年〜20年ほど愛用された。という事で、チップ・ウレタンは
全て新品に交換しました。

ソファーを開いてみて思ったのは、20年近くのものは、既製品といえども
手間もコストも非常にかかっていたのだ。という事です。
そのころ、よく親方が「既製品ってのはウレタンの固まりだよ」と
云っていましたが、その言葉通り、様々な固さのウレタンが複雑に
貼り合わされ、分厚いチップの上にのっていました。

今回はこれをすべて再現すべく、下ごしらえに時間をかけたのですが
特注の一点仕事ではなかなか大変でした。
また、布地のパターンも非常によく考えられており、現在の既製品では
もっと合理的に済ませるところも、まだ特注品の名残を感じさせ
所がありました。

既製品ソファーの20年の歩み方を意識する良い機会にもなりました。




2019年1月20日

ラグスツール


刺繍・織物・ラグ等を製作するテキスタイル製作者、高瀬ゆりさんと恊働の
ラグスツール座面の下ごしらえをしています。

福島県の裏磐梯にある諸橋近代美術館に納める仕事ですが、
サルバドール・ダリのコレクションで有名な美術館にふさわしく
届いたラグを開くと作業場が一気に華やかになりました。

1800 × 1200の大きなものから、1000 × 700の小さなものまで5台。
色も形も様々なラグが5枚、花開いています。



「テキスタイルクリエーター 高瀬 ゆり」

 yuriuriurico@mac.com





2019年1月14日

新年の泥沼


年が明け、椅子の原寸三面図を書き始めています。
椅子を製作するには、簡易的なものにせよこの三面図は非常に大切な
ものになります。
平面図、側面図、正面図=XYZ軸を1枚の図面に書き込むのですが、三次元の
ものの転びや太さ、位置関係が一目で解るようになります。

普段ならば、製作図としてもう少し端折って図面を書くのですが、今回は
図面上でも辻褄の合う、もう少し精度の高い三面図に挑戦しています。
非常に時間もかかり、本職の図面書きの方には笑われるかもしれない
出来ですが、満足いく三面図に近づいています。

本年もよろしくお願いいたします。




2018年12月30日

表裏一体、多段スツール


一脚で大人と子供に対応できるカウンタースツールを、という注文です。
最初は四面それぞれに、螺旋状に異なる高さのステップをつけようとしましたが
見た目の破綻と製作上の問題から、前後に異段ステップを取付けました。

下ステップは身長約170cmの大人、上ステップは身長140cm前後の子供を
想定した高さですが、前後左右と使い分けることで、様々な年齢に
対応できるスツールになりました。




2018年12月5日

昭和は遠くになりにけり


キャリアをスタートさせた頃、よくお世話になった椅子張りの親方の
所へ手伝いに行った。
都内三田のど真ん中、ビルの谷間の細い路地。そのまた奥の「こんな所に?」
という場所に、ひっそりと木造の作業場が建っている。

15年ぶりに開ける木製の引き戸。奥から出て来る親方は、すこし老けたかな?
と思う以外は何も変わらない。その人懐っこい雰囲気と優しさから、
自分たち小僧が「三田のパパさん!」と慕っていた面影は変わらない。

御年を聞くとなんと83歳の現役の張り職人。
昔話をすると、まだ東京タワーは無かった。とか、新幹線が走り出した。
とか目眩のするような話。

親方の工場の周りも建物がどんどん無くなり、目まぐるしく変わっていく。
そんな景色の中で、ここだけはすべてがゆったり止まったような不思議な感覚だ。

腕のいいことで評判だった「芝の職人」と呼ばれた人たちの、
おそらく最後の世代の親方。
往時は威勢のいい職人衆が闊歩し、家具の街と呼ばれた新橋・芝界隈の賑わい。

いまはもう遠くなった時代。
そのわずかな残香を感じながらの一日。




さあ、遠慮せずに