表裏一体、多段スツール
一脚で大人と子供に対応できるカウンタースツールを、という注文です。
最初は四面それぞれに、螺旋状に異なる高さのステップをつけようとしましたが
見た目の破綻と製作上の問題から、前後に異段ステップを取付けました。
下ステップは身長約170cmの大人、上ステップは身長140cm前後の子供を
想定した高さですが、前後左右と使い分けることで、様々な年齢に
対応できるスツールになりました。
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昭和は遠くになりにけり
キャリアをスタートさせた頃、よくお世話になった椅子張りの親方の
所へ手伝いに行った。
都内三田のど真ん中、ビルの谷間の細い路地。そのまた奥の「こんな所に?」
という場所に、ひっそりと木造の作業場が建っている。
15年ぶりに開ける木製の引き戸。奥から出て来る親方は、すこし老けたかな?
と思う以外は何も変わらない。その人懐っこい雰囲気と優しさから、
自分たち小僧が「三田のパパさん!」と慕っていた面影は変わらない。
御年を聞くとなんと83歳の現役の張り職人。
昔話をすると、まだ東京タワーは無かった。とか、新幹線が走り出した。
とか目眩のするような話。
親方の工場の周りも建物がどんどん無くなり、目まぐるしく変わっていく。
そんな景色の中で、ここだけはすべてがゆったり止まったような不思議な感覚だ。
腕のいいことで評判だった「芝の職人」と呼ばれた人たちの、
おそらく最後の世代の親方。
往時は威勢のいい職人衆が闊歩し、家具の街と呼ばれた新橋・芝界隈の賑わい。
いまはもう遠くなった時代。
そのわずかな残香を感じながらの一日。
ハイスツール
ナラでカウンター用ハイスツールを製作。
見た目のバランス、ステップの納まり・・・。
家具の線を少なくする。というコンセプトでの思索に時間がかかりました。
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1/5 Fantasy
プロポーション確認用の1/5モデル。これから原寸製作図の作成。
その後、実物の試作・製作へと続く。
最細2mm
1/5モデルのために旋盤でウォールナットを削る。
これだけ作るのに何本失敗したか。
円いダイニングテーブル
東京都北区のお客様に円卓を納品。
材料はウォールナット、直径1150mmと少々大きめの天板。
お手持ちのウェグナーの椅子に合わせたい。という事で
全体的に柔らかい表情を出した形で製作。
注文主の持ち物や雰囲気から、作るもののイメージが
湧き出ることは意外と多い。
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道具をつくる職人
家具屋が「特注で刃物を作る」というと、鉋や鑿ではなく、ルータービットなど
機械工具の刃物を注文することを指します。
既製品の刃物では出来ない形を削りたい場合、刃物の図面を引いて刃物屋さんに
オーダーするのですが、先日刃物をオーダーしていた仲介の木工機械屋さんから
電話が入りました。
「刃物屋さんが体調を崩して入院した。高齢でもう作れないらしい」
「・・・!」
ついにこの時が来た。と思いました。
今の時代、ネットで探せばどこかの刃物屋さんがみつかると思うのですが、
やはり馴染みのある所は、値段も安く、仕事のやり取りが容易です。
最近世間では、職人の道具を作る職人がいなくなっている事が話題に
なったりしますが、自分の回りでもこの問題が出てきました。
前述の刃物はなんとか既製品で代用できましたが、
「新しい刃物屋さん探さなくちゃ」という機械屋さんの言葉は届くのでしょうか。
どうかいい結果が出ることを願っています。