2014年5月6日

研ぎ


最近、刃物の研ぎがおざなりになっている気がしたので
もういちど一から練習をするつもりで鉋を研いでいます。

根気よく徹底的に。

その時の精神状態で研ぎ上がりが全く違うのですが、それではまだまだだナ。と思っています。
頭がややこしくなった時は刃物研ぎで思考の整理。

よく切れる刃物は気持ちよく仕事が進みます。






2014年4月21日

小椅子張り直し


スツールをご注文いただいた、横浜保土ヶ谷区のTさま、
小椅子張り直しの注文もいただきました。
座面、もう落ち込んじゃってますね。

30年以上前に神戸で誂えた、というこの椅子。鏡台とセットでお使いになり
随分お気に入りでしたが、現状座る事ができず、気になっていた、との事。

早速中身を開けてみました。


・・・なるほど、もうベースのテープが切れて、ウレタンも粉状に劣化が始まっていました。
まずは全てを剥がし、ウェービングテープを引きます。


そしてウレタンを交換、下地つくりです。

椅子張りの親方の下で働いていた時、よく「下ごしらえで椅子張りは決まんだッ!ごまかせねえからしっかりやれよ」
などと叱られていたことを思い出しました。

生粋の神田っ子でさっぱりしているが気が短く、よくもまあ、何年間もあそこまで叱り続けてくれたものだ、と思います。
しかし意地が悪くなく、こちらとしっかり向き合ってもらっているのが判るので素直に聞くことができました。
また、非常に人情の機微にとんだ怒り方で、根に残ることもありませんでした。
いま思うとひたすら感謝感謝です。(すこし頑固でしたが)

近々遊びに行きますね、親方。


布地は痛みも少なく、剥がしたものをそのまま使ってほしい、という事で
今回は「張替え」ではなく、「張り直し」をしました。

布剥がしの時、傷をつけないように気をつかいながら作業をし、張り込みです。
復活!!

この張り直しも非常に喜んでいただきました。
お気に入りの家具がまた使えるようになるのは、確かにうれしいものです。

Tさま、ありがとうございました!







2014年4月14日

木のハイツール

木のハイスツール


定番商品の丸スツールの仕様違いとして、ハイスツールを製作しました。
材料はチェリー。座高600mm、結構高めです。

お客さまは横浜保土ヶ谷区のTさま。
「台所で使えるような座高の高いスツールが欲しい」と、ショウルームにいらっしゃいました。
そこに置いてあったスツールをご覧になり、座高・座径・使用する材種をアッと云う間に
決められました。


このスツール、普通のスツールの脚を延ばせば済みそうですが、強度を考えると、脚部の下部に「つなぎ」という部材が必要になってきます。
スツールそのものの構造を変えてみたりいろいろ試していたのですが、なかなか形が決まらない。

ある時、作業場の電動工具の刃物を見ながらボンヤリしていたら、頭の中につなぎのいいアイデアが浮かび、試作を重ねるうちに某高級車の内装部品が頭に浮かびました。


(もちろん写真でしか見たことがありませんが)なんとなくプロペラを連想するその形が、全体が丸いシルエットのこのスツールに少しシャープな印象を与えてくれる気がしました。



いままで製作したことのない形なのでうまくいくかは判りませんでしたが、うまく完成しました。

納品したお客さまにも喜んでいただいたのですが、今回のように形に悩んでいる時、
意外なところからアイデアが湧くものです。

実は桟の断面が曲面になっています。苦労したんですよ。

        






2014年4月1日

鋏を買う


先日、種子島の鍛冶屋さんの鋏を買いました。
ひげさんのお店。


ふと、ある本の記事で目にして一目惚れ。

さっそく、種子島のひげさんのお店に電話で問い合わせてみたところ、
(おそらく)年老いた女将さんが対応してくれました。

お話によると、この鍛冶屋さんは鎌倉時代以前より続く37代目の鍛冶屋さん。
当主の牧瀬さんは現在も鍛冶をしておられるが、男子がおらず、「牧瀬」の名は当代限り、というお話でした。

素朴ながら、熱を帯びた女将さんの語り口に引き込まれ、その場で種子鋏(たねばさみ)を注文したのですが、届いた品物をみて、さらに感激しました。


包みを解くと、鋏がまるで鍛冶場から直接送られてきたかのような鉄の匂い、
端正なヤスリ目と、たがねで刻んだ「本種」の銘。


雑鋏として使える頑丈さと、素晴らしい切れ味をもったこの鋏、
1000年続いた(牧)の銘が種子鋏に刻まれるのは残念ながら、おそらくもう
あとわずかですが、その中の一丁を手に出来た嬉しさと、
素朴ながら丁寧に作られた鋏を見ながらいろんな事を考えています。

この刃のねじれが切れ味の秘密。





2014年3月21日

春が立つ


ここ数日、光まぶしく空気が緩みはじめました。
寺家町でもあちこちで蕾がほころび、様々な生き物が動き始めたようです。
道ばたでも。


やはり人も生き物。
気分は良く、すぐにでもどこかへ出かけたい気持ちになります。
あの町、あの場所、あの温泉、会いたい人たち・・・。

ちかごろバタバタとしてなかなか時間を作ることができませんが、
なんとか手が空いたら、と思います。どうなるでしょうか。






花つながりではありませんが、長さ2.4m、アメリカンチェリーの大きな板を削り出しました。
手伝い仕事ですが、壁面TVボードの部材のようです。




無垢材テーブル・家具等製作
家具工房TERAMOTO
                         〒227-0031
                            横浜市青葉区寺家町441
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                            fax:045-962-4889
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2014年2月19日

引き出しデスク

引き出しデスク


小さな収納の付いたデスクを製作しました。


材料はウォールナット。今回はすこし遠い、三重県からの注文です。
お客さまは高齢の方。介護施設に入られ、毎朝新聞をゆっくり読むための
テーブルが欲しい。というご注文でした。


そして、そのテーブルにはあまり大きすぎない引き出しも付けて欲しい。というお話。
お部屋を拝見すると、手紙や封筒、筆記用具や文庫本が表に出ていたことに気がつきました。
なるほど、なんとなく行き先のなさそうな小物たちを収納して、さらに座った時に邪魔にならないように、という事で幅20cm強、幕板と同じ高さの引き出しにすることにしました。

こう見えて、結構入ります。


最初、今回も角に大きな丸みを持った形で天板を製作したのですが、なぜかピンと来ない。
なぜだろう。考えました。

・・・

・・・今回はお客さんの雰囲気から、引き出しに普段はあまり使わない真鍮の
引き手を採用してみたのですが、これが家具にシャープな印象を与え、天板もシャープな形が似合うようになったことに気がつきました。


そこでもう一度材料を削り直し、再び天板を作り直したところ、全体の座りの良い形に納まりました。
いままではあまり作らなかった直線基調の家具。ウォールナットの質感とも相まって
なかなかいいな。と思ったりもしました。
こうしていろんな事に取り組んで、また新しい形に出会っていく気がします。


お客さま、「なかなか形もいいし、これで新聞もゆっくり読める」と、喜びなすった。
毎日、毎朝、ゆっくり愛でるように使っていただけることを期待しています。

2014年2月11日

ベビーサークル②

ベビーサークルふたたび


以前製作したベビーサークル、別のお客さまからもオーダーをいただきました。

材料はブナ。やはり子供の触れる家具には、その触り心地と清潔さが
向いているような気がします。

オーダーをいただいた豊島区のK様、建築設計をされているお客さまです。
打ち合わせにお邪魔したご自宅は細部の納まりが非常に美しい建物で、インターホンを押す前に5分ほど、お家の前でうろうろと見惚れてしまいました。
誰かに見られていたら、さぞ怪しい人間に見えただろうと思います。

そのK様、お子様がハイハイを始めたので急遽ベビーサークルが必要になった、との事。
ご両親には大至急市販のベビーサークルを買うようにおすすめされたらしいのですが、形とサイズのいいベビーサークルを置きたい、と、HPでお探しになられてご注文いただきました。



子供の触れるものなので、いつも以上に仕上げ作業に気を使いました。
全ての材料に鉋をかけ、徹底的に磨き上げた後、ソープフィニッシュという
仕上げを施し、さらに目の細かい紙ヤスリで磨いてあります。
このソープフィニッシュは北欧椅子の伝統的な仕上げです。石鹸をお湯に溶かし込み
その石鹸水を家具に染み込ませて汚れ止めにするものです。
ウレタン塗装と比べれば対汚性は弱いのですが、施工時の環境への負荷も軽く、
子供が家具を舐めたとしても危険がないので、幼児向けのものには比較的よく使用します。

そして今回は接合のプレートをブナ材で製作し、おまけとして
お部屋のインテリアのチークにあわせ、チーク材のプレートもお付けしました。


工房まで引き取りにいらしたK様、サークルをお気に召されたようで安心しました。
建築の話など、またゆっくりとお話したいものです。
受注生産で即納ができない中、辛抱強くお待ちいただき本当にありがとうございました!

さあ、遠慮せずに